はじめに
こんにちは!Techouseに2025年新卒として入社予定で、現在クラウドハウス労務でエンジニアとして長期インターンをしているoctavioと申します。
本記事ではTechouseで行われている社内LT会に発表者として参加したので、その様子を紹介しようと思います。
LT(Lightning Talk)とは?
皆さんは、LTというものをご存知でしょうか。
LTとは、Lightning Talk「ライトニングトーク」 の略です。「雷や光のように素早く終わるプレゼン」という意味が込められており、5~15分程度の短い時間で、興味あるテーマについて全力で語る。ただそれだけです。
エンジニアのカンファレンスなどで良く行われている形式で、Techouseも例に漏れずエンジニアたちの間でLT文化が作られてきたわけです。
TechouseのオフサイトミーティングでのLT会
Techouse社内では四半期に一度、オフサイトミーティングを開催しています。
このオフサイトミーティングとは、一泊二日で温泉宿に泊まり込む、全社横断の一大イベントです。
ここでは、普段は目の前の業務に追われて出来ないような、中長期の議論を事業部毎に、部門をまたいで行います。
このような楽しくも大変なイベントなのですが、夜にエンジニアたちだけの密かな楽しみが待っています。
それが、社内LT会です。
一日の議論を終えて、ご飯を食べ、お風呂に入った後、ニヤニヤしたエンジニアたちがぞろぞろとLT部屋に集まってきます。
昨年の3月からオフサイトミーティングごとに開催されている社内LT会も今回でもう7回目、エンジニアたちにとってすっかり恒例の欠かせないイベントとなっているわけです。
1年ほど前に書かれた、LT主催者の記事がこちら
LTで発表することになった私
「octavio、次のLTよろしく」
エンジニアインターンの私(octavio)ですが、今回のLT会への登壇要請を受けます。
Techouseの社内LTの条件は以下の3つ
- 自己紹介を入れること
- 技術に少しでも擦っているテーマであること
- 制限時間は 5-15分で自己申告制
どうですか?一見簡単に見えますが、これが意外と緊張します。
当然隠された重要な条件 「笑いをとること」 があるのを忘れてはいけません。
エンジニアインターンのペーペーの私が技術的に擦った話をしつつ、しっかりとネタとして成立するものを選んでくる。これはなかなかハードなミッションです。
すべろうもんなら翌日からの業務が厳しいことになるのは言うまでもありませんし、あまりにも技術から逸れた大学生ノリで乗り切ろうとするのは技術者としての矜持に関わるわけです。
目の肥えた、腹を空かせた先輩エンジニアたちを満足させるにはどうすれば良いのか。
そんなことを考えながら日々を過ごしていきます。
過去のLT発表
「まずは敵を知る」と言うことで、過去6回の社内LTでどんな発表がされてきたのかを調査していきます。
第4回社内LT会にて
こちらは我がクラウドハウス労務でチームリーダー的活躍をしている先輩社員の発表です。
TDD(テスト駆動開発) に関する発表ですね。チームに参加したばかりのインターン生は業務でテストを書く機会が多いので、非常に身近わかりやすいテーマでありながら、技術的にも重要なトピック。
きっと開発陣にTDDを普及させて、テストの重要性を再認識させたいという高尚な思いがあったのでしょう…
ですが、最後にはしっかりとネタを仕込んできています。
https://furandon-pig.github.io/fpig_sample/hobby/bad_spiral/
そう、彼は単なるTDDの提唱者ではなく、完全なる中毒者だったわけです。これはいけません。
あいにく僕は、このような市販で手に入らない薬はやっていないので参考にはならなさそうです。
次の発表を見てみましょう。
第5回社内LT会にて
次は、2024年新卒で入社した僕の敬愛する先輩でもある、クラウドハウス労務の@nodematerial さんの発表です。
RubyKaigiでのこちらの記事の作者でもあります。
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873117430/
https://www.packtpub.com/en-us/product/layered-design-for-ruby-on-rails-applications-9781801813785
勉強熱心な彼は勉強の楽しさを伝えるとともに、我々が開発で使っているRuby, Ruby on Railsに関する2冊の名著から学んだ様々なことを紹介してくれました。
すごく勉強になる発表で、影響を受けた僕も画像の左の本を熱心に積読しているものです。
そんな彼もちゃっかりとネタを仕込んできています。
普段の彼の真面目で真摯な姿からは想像もつかない、絶妙な音程から放たれた突然の 「理解キモチェェェェェェェェェ!!!」
理解した喜びを叫ぶ彼の声が、LT部屋に響き渡ります。
この「理解キモチェェェェェェェェェ!!!」は、その後の社内流行語大賞にノミネートされました。
しかし、残念ながら僕はまだこのような理解も発声方法も会得できていないので、参考にならないかもしれません。
次の発表を見ることにします。
第6回社内LT会にて
今度は私の同期であり、2025年新卒で入社予定のエンジニアインターンの発表をみてみましょう。同期であればより参考になるものがあるかもしれません。
今度は打って変わって学生ならではの発表。
このように大学院での研究についての発表だったりも、社内LTでは定期的に行われています。
彼はNFC(Near Field Communication) に関する研究をしているのですが、その研究内容をわかりやすく説明してくれました。
なんと彼の研究が現実になれば、3次元のあらゆる方向から電波を受け取り、スマホをポケットに入れたままでSuicaなどの読み取りが可能になり、改札などが不要になるとのことです。
これはすごい。ロマンがあります。「研究何してるの?」と聞いた時に「アンテナの研究」と言われて興味を持たなかった自分が恥ずかしいほどです。
しかし学会発表じゃないんだから、ネタの仕込みは大丈夫か? と心配した矢先、裏切られました。
なんと彼は途中から完全なる妄想タイムに突入したのです。 ここから彼が妄想の世界から帰ってくることはありませんでした。
残念ながら学部生の僕にはこのような研究ネタも、妄想ネタも参考にならないかもしれません。
今回の社内LT会
今回僕と同時に発表した2名も中々のものでした。
データベーススペシャリスト試験に関する発表
まず、こちらも理解が気持ち良い方と同期の、2024年新卒でクラウドハウス労務に入社した、daiki_fujiokaさんの発表です。
RubyKaigiでのこちらの記事の作者でもあります。
Techouseでは、資格支援制度というものが整っており、様々な資格の受験料を 「合格すれば」 会社が全額負担してくれます。
僕も今年の4月にこの制度を利用して応用情報技術者試験を受験し、現在合格発表を待っているところです。
しかし、daiki_fujiokaさんは更に上を行っています。なんと学部学生の去年10月のうちに応用情報技術者試験をすっ飛ばし、IPAの高度試験のひとつである 「データベーススペシャリスト試験」 に合格してしまったのです。
しかもただの合格ではありません。最も難しいとされる最後の午後II試験の合格基準が60%のところ、なんと90%以上の高得点で合格してしまったのです。
彼はその合格体験期と、後輩である我々に向けた勉強法をLTで紹介してくれました。
尊敬の眼差しで見守っていたのも束の間。
なんということでしょう…
彼と同じ2024年新卒の同期で受験した者がいたのですが、二人の写真を並べ、落ちてしまった友人をスライド上で爆破してしまいました。これはあまりにも残酷です。
悲しいですが、僕はまだ高度試験を受けたこともなければ、このような残忍な方法で友人を爆破できるほどの技術も持ち合わせていないので、真似をするのは難しそうです。
とある大規模システムについて
大物の登場でした。ここまで紹介してきたのは比較的若手のメンバーの発表が多かったですが、最近のLTではそれ以外のメンバーも発表をする機会が増えてきました。
実は社長も半年ほど前に発表をしてくれたことがあります。
発表者は、前職でとある大規模システムの開発に携わっていた方で、Techouseとは全く異なる世界観での開発について、発表をしてくれました。
詳細な内容については割愛しますが、大学院で数学を専攻していた彼は、以下の数式でそのシステムの課題を解決したというのです。
どうですか。数式から発表内容を想像してみてください。
発表
テーマの決定
色々な発表がありましたが、どれも私に真似できるようなものではありませんでした。
困った僕はLTの運営をしている先輩に相談しました。
「どうしましょう。僕はTDDの中毒者でもなければ、理解の気持ち良さの伝道師にもなれなければ、学会発表もIPAの高度試験の受験も大規模システム開発の経験もないですよ。ゲームばっかりしてきた学生生活を後悔してます。」
「じゃあ、それで。」
と言うことで私の発表のテーマが決まりました。
これまでの発表を見てきて、確かになんでもありなのはわかりました。
なので私も、自分が青春を捧げてきた「ポケットモンスター」というゲームについて、LTを行うことになりました。
実は、「ポケットモンスター」にはゲームの起動時間や本体のMACアドレスなどの情報を元に生成される擬似乱数を調整して、任意の強力なポケモンを出現させるという「乱数調整」の文化が遥か昔から存在していました。私もそのようなことを熱心にやっていたと言う過去が確かにあったのです。
ということで「技術に少しでも擦っている」の条件を満たせそうなテーマを見つけることができたので、あとは全力で発表をするのみです。
ニンテンドーDS Liteを買い直しに秋葉原に突撃。懐かしのゲームの乱数調整も復習し、準備は万端。
タイトルは「目指せ乱数マスター」
このタイトルが通ってしまう社内LTの自由さ、素敵です。
発表内容
趣味全開なので詳細は割愛しますが、ざっくり発表内容について紹介します。
ポケモンでは、同じポケモンでも個体ごとの性格や個体値といったランダムな要素で強さが変わるのですが、そのランダム要素を調整するのが乱数調整です。
当日はゲームの仕様から解説しました。
ポケモンで使用されている疑似乱数アルゴリズムは
- 線形合同法
- メルセンヌ・ツイスター
で、それらについて話しました。
そして、実際に乱数調整を行うために必要な情報や手順について解説です。
15年前のゲームの乱数調整のやり方を今更教わってもという感じでしょうが。
最後は完全にわかる人向けに、色々な乱数調整ネタを紹介。
自分はここが一番気持ちよかったです。
終わり
なんとか無事発表を終えることができました。
入念な調査のおかげで、笑いも及第点は取れたのではないでしょうか。
レトロゲームネタは社内で人気があることは知っていたのですが、人気ゲームだったおかげか、聴衆のなかには意外にもポケモンに精通する強者が多く、質問も多くもらうことができました。
エンジニアインターンとして、社内LTというカジュアルな形ではありますが、人前で技術噺ができた経験はとても貴重なものだと思っています。
何より、純粋に自分の好きなものについて語ることができたので、僕は大満足です。
景品としてLT会特製どら焼きをいただきました。
改めて、LT会は笑いあり学びあり、聴衆も発表者も楽しい最高のイベントでした!
みなさまも是非、LT会を開催・参加してみてください!
Techouseでは、長期インターンを募集しております。要件定義からリリースまで、開発のあらゆるプロセスを勉強できる、最高に成長する環境であることを保証します!
実はLT会に参加したいだけというスパイの方も募集しております。もしかしたら、次の社内LT会の参加者はあなたかもしれません…
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